戸田市の“外国人”人口について
皆さん、こんにちは!
日本語パートナーの千原です。
外国人と日本人の架け橋となるよう「”外国人向け”日本語レッスン」や「”日本人向け”やさしい日本語」の普及事業などを、埼玉県戸田市を中心に行っています。
今日は戸田市の外国人人口について書いていきます。
戸田市は「戸田市多文化共生推進計画」というものを発表していて、そちらに外国人に関する詳しい情報がまとめられています。
本記事もそちらを参考にしています。

戸田市の外国人人口の埼玉県内での順位
皆さん、戸田市の外国人人口は他の市町村に比べて多いと思いますか。少ないと思いますか。
ずばり、答えます!
戸田市の外国人人口は埼玉県内で、第3位です。*1
意外と多いですよね。
私が日本語学校で日本語教師をしていたころ、学校が新宿にあり、埼京線で行けるからか、戸田に住んでいる学生が多かったです。
そのころはなんで戸田に!?と思っていましたが、戸田は住みやすくて素晴らしい街です。
*1 2018年の調査ですが、2023年現在、順位はほとんど変わっていないようです。
外国人人口と国籍
戸田市
戸田市に住んでいる外国人は令和4年(2022年)4月1日現在で、7,259人です。
戸田市の人口の5.1%に当たります。

コロナを経て、どんどん減っているのではないかと思いますが、減り幅は令和2年から1年に200人ずつです。
入国制限が緩和された令和5年はどうなっているのでしょうか。
まだ、外国人人口については報告が見つけられませんでした。
コロナの時、旅行者は完全に0になりましたが、「在住」外国人は逆に日本から出国できず、そこまで大きな影響を受けていないようです。
住んでいる外国人の国籍はこちらです。

右側オレンジで囲っているところが令和4年の状況です。
国籍別の人口順位は埼玉県全体と全く同じなのですが、1位の中国人の割合が戸田市はとても多いです。
国全体でも、埼玉県全体でも中国人は全体の20%台ですが、戸田市は48%となっています。
そして、大きく割合を増やしているのはベトナム人です。
ベトナム人を見ることは本当に多くなりました。
日本語学校でも急速にベトナム人が増えました。

ベトナム人の名前は長いですよね。
真ん中に「ヴァン」がつけば男性、「ティ」がつけば女性だそうです。
ベトナムの子に教えてもらったとき、名簿を見ると、まさにその通りでびっくりしました!
蕨市・川口市
では、お隣の蕨市や川口市の状況はどうなのでしょうか。
実は蕨市は外国人の”人口割合”で言うと、埼玉県で1位なのです。
もともとの人口がほかの市町村に比べて少ないところに、多くの外国人が住んでいるからでしょうね。
蕨市HPによると、令和5(2023)年8月1日現在、市内に在住する外国市民は8,124人です。
全人口に対する割合は10.8%。
HPを見ると、令和5年1月1日では7,746人なので、8か月で378人も増えています!
一番多い国籍は中国の4,917人で、全体の64.9%。
戸田市よりさらに高い割合ですね。
これはやはり、チャイナタウンの川口がお隣だから?!
そうなると、川口の国籍割合も気になります。
まず、川口市HPによると、令和5年(2023年)1月1日現在口市内に在住する外国市民は39,553人です。
圧倒的多さ!
全人口に対する割合は6.54%。
一番多い国籍は中国の22,355人で、全体の56.5%。
川口市だけで中国人が2万人を超えているのはすごいです・・・!

少し前にはついに新宿を抜いて、川口の在住外国人数が全国一位となったというニュースを見ましたが、改めて調べてみたところ、令和5年(2023年)8月1日現在、新宿区の外国人数は42,214人で、川口よりだいぶ多くなっていますね。
外国人人口の特徴
戸田市
特徴は先述した通り、中国人の割合が多いことです。
そのほかには外国人市民が若いことです。

39歳以下が全体の70%を占めています。
9歳以下の子供は10.8%なので、留学などの一時的な滞在ではなく、日本社会に定着している人もある程度いることが予想されます。
蕨市・川口市
川口市は39歳以下が41%、蕨市は43.5%です。
いずれの市でも、日本人よりも若い世代の割合が多くなっています。

これは蕨市の人口年齢ピラミッドですが、左側が外国人、右側が日本人です。
圧倒的に外国人は若いですね。
外国人が増えるとどうなる!?
さて、このように町に住む外国人が増えていくとなると、心配なのがコミュニケーションや文化の違いによる摩擦です。
実際に戸田市が行ったアンケートでは日本人が外国人市民が増えることによって心配なこととして、このような結果が出ました。

ダントツで、「ルールやマナーを守らない人が増える」です。
私としては、外国人は「守らない」というより「知らない」ので「守れない」のではないかな?と思います。
私が知っている日本に住むある外国人は日本が好きだから日本に来ていて、ずっと住んでいたいから法令を遵守することを特に意識していました。
きちんとルールを分かるように説明すれば、多くの人がルールを守ってくれると思います。
そのために重要なのが、「コミュニケーション」です。
私が新しく引っ越してきたとき、子どもを連れていることもあって、近所の方がよく声をかけてくれました。
相手が日本人であれ、外国人であれ、突然話しかけるのはちょっとちゅうちょしていまいますが、挨拶するのは普通のことです。
もし、近くに外国人が引っ越して来たら、まずは挨拶から始めてみるといいのではないかなと思います。
あいさつをきっかけに、会話が始まったら困っていることはないかとか、ゴミ出しのルールを知っているかなどを話してみたらどうでしょうか。
日本に住む多くの外国人は日本語が話せます。
たとえ、自分が外国語を話せなくても、相手が日本語を知っていれば、きっとコミュニケーションができるでしょう。
まとめ
ますます増えていく外国人市民。
彼らとうまくやっていくにはやはりコミュニケーションが重要。
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参考資料
・第2次戸田市多文化共生推進計画
・蕨市多文化共生指針
・第2次川口市多文化共生指針
・川口市HP「かわぐちの人口」
・新宿区HP「最新の人口」